3DGSとは?写真からリアルな3Dを作る事ができる新技術

写真から3Dコンテンツを生み出せる最新技術

3DGS(スリーディージーエス)はGaussian Splatting の略で、複数枚の写真からシーンを再構成し、任意の視点から見られる3D(自由視点レンダリング)として表示するための技術です。
「3Dモデルを作る」というより、写真をもとに3D表示を作り、見る角度を変えて確認できる状態を作る用途で注目されています。
3DGSは撮影した建物や物体などのシーンを「ガウス(ぼかしを持つ粒)」の集合として表現し、見る人が角度を変えながら見回せるように、画面に表示する事ができます。

簡単な制作のながれ

3DGSでコンテンツを作成する流れは大きく3つのステップに分かれます。
01:建物や物体を、少しずつ角度を変えながらたくさん撮影する
02:撮影データをもとに、アプリを用いて写真同士を接合・合成といったデータの調整を行う
03:見た目が自然な3Dになるように、細かな情報を調整して3DGSのデータを作成

できあがった3Dコンテンツは、写真とは違い「角度を変えて確認する」「回り込んで見る」といった事が可能となります。
CADにも近いのですが、形状を編集するのではなく主に写真を組み合わせる事で3D表現を実現しています。

なぜ「次世代の3D」と言われているのか

1)「見せる3D」の需要が増え、導入事例が増加。

3Dというと、専用機材が必要だったり、制作や公開に手間がかかったりするイメージを持たれがちです。
一方で近年は、設計・検査だけでなく「空間やモノの魅力を伝える」「事前に理解してもらう」「説明の手間を減らす」といった目的で、3Dが選ばれる場面が増えています。
3DGSは、この「伝える・体験できる」目的にマッチしており、導入の選択肢として検討され、実際導入されるケースが増えてきております。

2) 処理が軽い

視点を動かして見る事のできる3Dは、Webなどでの体験価値を向上させる事ができます。
3DGSは他の技術に比べ、シーンを多数の「3Dガウス(粒)」として明示的に持ち、表示するときはそれらを画面に投影して重ね合わせを方式を取っています。
例えばNeRFでは、画面の1点ごとに「空間の中をたどりながら色を計算する」処理を何度も行うため、表示が重くなりやすい傾向がありますが、3DGSはあらかじめ用意した粒(ガウス)を画面に投影して重ねるだけの形に近いので、処理を軽くする事ができあます。
さらに、「大量の粒を一気に描く」処理はGPUが得意なため、視点を動かしても滑らかに表示しやすいと言われています。

3) 「測定」ではなく「伝える」価値

3Dスキャンは精度・寸法が価値の中心になりやすい一方、3DGSは「空気感」「奥行き感」「回り込み」を伝える事を得意としています。
例えば施設や部屋のバーチャルツアーや、車や商品などの3Dビューなど「色々な角度で見る事ができる」という「体験」に価値があります。

主な3D技術との違い

3DGSは端的に書くと「写真から3Dを作る」技術です。
「編集できる3Dモデル」「計測できる3Dデータ」とは異なり、「目の前にあるような体験価値を得られる」事に強みがあります。

ゲームの3D(ポリゴンCG)

ゲームCGは、三角形の集まり(メッシュ)で形を作り、そこにテクスチャ(模様)を貼って、光の当て方などの処理を行います。
形を編集したり動かしたりしやすいのが強みですが、現実の建物や商品を「そっくりそのまま」再現するには、モデル制作や調整の手間がかかることがあります。

フォトグラメトリ

フォトグラメトリは、物や場所をいろいろな角度から撮った写真を材料に、ソフトが写真の重なりを手がかりに3Dの点の集まり(点群)を作り、必要に応じて表面(メッシュ)に変換して3Dモデルにする方法です。
たとえば、ドローンで撮影したデータから地形や建物の3Dデータを作成する事ができます。
主な用途としては、遺跡・建物・製品を3D化してGISや記録、映像制作、AR/VRの素材に使われます。

NeRF

NeRFは、たくさんの写真を材料にして「この場所をこの角度から見るとどう見えるか」という見え方のルールを学習し、撮影していない別の角度(別視点)の画像を合成できる技術です。
写真から3Dモデルを起こすというより、「見た目」を学習して、別の位置から見た映像を合成・生成するイメージです。
主な用途は室内・施設のバーチャル見学、観光地のヴァーチャルツアーなどのコンテンツ用途で使われる事があります。

計測系の3Dスキャン(LiDAR等)

LiDARは、レーザーを照射して反射が戻るまでの時間などから距離を測り、たくさんの点の集まり(点群)として3D化します。
寸法や精度が重要な用途(測量・検査など)に強く、計測・測定に強い3D技術です。
主な用途は、測量・地形図作成・防災・土木建築・森林環境モニタリング・自動運転・ロボットの周辺認識

3DGS

3DGS(3D Gaussian Splatting)は、たくさんの写真を材料に、現場やモノを“写真に近い見た目”のまま、角度を変えて見られる3D表示としてまとめる技術です。
特に、視点を動かしながらスムーズに見せる(リアルタイム描画)方向で強みがあります。
比較的制作コストを抑える事ができ、さらに「写真に近い見た目のまま」3D化する事ができます。
主な用途は、建物・施設のバーチャル内覧、文化財・展示のデジタル展示、EC、商品のPR・作品のPR

尚、目的別に分けると以下の通りです。

編集して使いたい → ポリゴンCG/フォトグラメトリ(メッシュ)
見回せる表示を作りたい → 3DGS/NeRF(表示体験寄り)
測って精度が欲しい → LiDAR等の計測スキャン

それぞれに得意分野があり、全てにおいて「これが1番」というものはありませんが、
3DGSは「体験価値を高める事のできる技術」として注目されています。

3DGSが向いている活用シーン

3DGSは、写真を組み合わせる事で精巧な3Dを作る事ができ、さらにまた処理が軽くリアルタイム表示に優れているため「体験価値」を生み出すコンテンツに向いています。

建物・施設の紹介・案内

建物や施設の紹介では、空間の広がりや構造を伝える事が大切ですが、写真や動画では距離感や構造が読み取りにくい場合もあります。
3DGSではユーザーが自分で移動し、見る位置を変えながら確認できるため、まさに「その場を歩いている・見渡す」ような体験が可能となります。
もちろん部屋同士の繋がりもスムーズなため、例えば「入口から受付」「教室→廊下→ホール」のように、複数の場所をシームレスかつ分かりやすく見せる事が可能です。

商品のPR・美術品などのPR・記録

立体物は角度で印象が変わるため、写真だけだと「少し横から見たらどう見えるか」が伝わりにくいことがあります。
3DGSならユーザーの操作で視点を変えながら見たい位置をじっくり吟味する事ができ、まさに「手に取って見ている、目の前で見ている」感覚で使えます。
普段は近い距離で見る事のできない美術品や作品、質感や陰影といった質感を丁寧に伝えたい商品など、写真よりも高い再現性・精度で見せる事ができます。

ネットショップでの「プラスアルファ」

ECでも3DGSは活躍します。3DGSの立体感や世界観はお客様に「手に取ったような・目の前にあるような」体験を提供する事が可能です。
もちろんサイズ比較や色の厳密さなど、写真や動画、説明文す全て代替するものではありません。
ただ、「プラスアルファで商品の魅力を一押し」するためには有効なツールと言えます。

「体験価値」を向上させる3DGSはこれからの3D技術です。

3DGSは「体験価値」に主眼を置いた、新しい3Dコンテンツの在り方を提案する技術のひとつです。
使い方・活用方法も様々で今後更なる展開が期待されています。

和協サービスでは、コンテンツの制作だけではなく、ケースに合わせた3DGSの活用相談・3DGSを活かしたコンテンツ作りの提案なども行っております。
「興味はあるが、どう活用すればよいかわからない」という方もお気軽にご相談ください。