高所点検をもっと安全に! ドローン赤外線外壁診断

ドローンを活用して外壁の状態を安全に「見える化」する。

外壁の状態は、建物の安全や見た目、そこにいる人の安心に直結します。
タイルが浮いていたり、ひびが広がっていたりすると、破片の落下事故や雨漏りの原因になります。
建物を安全に維持するためには点検が大切なのですが、特に高所での作業は危険を伴い、また足場や高所作業車を使うとコストも時間も大きくなりがちです。
そこで注目されているのが、ドローンを使って外壁の赤外線の写真を撮影する方法です。

なぜドローンを活用した赤外線診断が注目されるのか

ドローンが注目されている理由は「安全・低コスト・正確」の大きく3点に分けられます。ドローンを使えば、人がわざわざ危険を伴う高所へ上がらずに済みます。
準備も片付けも短時間で行う事が可能で、診断自体も短時間で行う事ができるので結果としてコストダウンに繋がります。

従来の点検との違い

これまでは足場を組み、人が壁を直接叩いて確かめる「打診」や、目視などによる点検が中心でした。
確実性の高い方法なのですが、高所作業のリスクや時間と費用の大きさが課題でした。
また、人の目や経験に頼る場面も多く、見落としや判断の差が出る点も無視できない問題と言えます。
ドローンを用いた赤外線診断は、人を危険にさらすリスクを下げ、点検コストを軽減し、人によって分析の精度が変わりづらいというメリットがあり、従来の診断にあった課題を補い、さらに相乗効果を生み出します。

赤外線カメラとは?

赤外線カメラは「物体の温度を色の違い」として写し出します。
外壁の中に空気の隙間や水分があると、日当たりや風の影響で周囲と温まり方・冷え方が少し変わります。
この「少しの差」は目には見えませんが、赤外線の画像にはっきり出ます。
これにより、目視では分かりにくい問題個所を容易に発見する事ができる技術です。
とはいえ赤外線だけで全部が分かるわけではありません。
材料や方角、天気で写り方が変わるので、必要に応じて打診を組み合わせます。

赤外線診断の流れ

まず図面や外壁の素材、周りの様子を見て飛行・診断計画を立てます。
飛ばして良い場所か、申請・許可が必要か確認を行い、撮影は、天気や日当たりを見ながら進めます。
撮影は普通の写真と赤外線の写真を連続して撮り、後日写真データを繋ぎ合わせ、建物の診断結果を作成します。
赤外線画像に写し出された色の違いが大きい場所を「リスクの高い箇所」として整理し、必要に応じて打診などによる確認を行います。

精度を高めるために

より正確な赤外線診断を行うには、適切な準備が欠かせません。
温度差が出やすい時間帯を選ぶだけでも、画像は読みやすくなります。
撮影方法も重要で、壁面に対して真っすぐに近すぎず遠すぎずの距離で撮る事でデータ解析の精度も向上します。

打診との使い分けと相乗効果

赤外線と打診は、どちらが優れているかを競う関係ではありません。
それぞれ得意分野が異なり、お互いを補い合う関係と言えます。
赤外線は発見係。広い範囲を俯瞰し診断データから「ここが怪しい」と問題個所を見つけます。
全てを打診でやると時間も費用も大きくなってしまう場合、先に赤外線で候補を絞り、必要な場所だけ打診で確かめる。
このように使い分ける事で、コストを押さえながら見落としを減らし、安全で早く効率的な点検ができるようになるという相乗効果を生み出します。

導入の前に確認をしておくべきこと

ドローンを使用する場合、建物や地域によって飛行に許可や申請が必要な場合があります。
定期点検の扱いも、自治体で考え方が違う事があります。
こうした手続きは、対応できる業者に相談しながら進めるのが安心です。
また保険への加入状況や、報告書の出し方、打診とどう組み合わせるかも、最初に話し合っておくとスムーズに進める事ができます。